アメリカンなオーケストラの夕べ
Barbican CentreであったBBC Symphony Orchestraのコンサートに行ってきました。テーマは「アメリカ」。米国人作曲家に加えて、彼らの影響を大きく受けた作曲家の代表作が演奏されるというキュレーションでした。
Christopher Rouse Rapture
Maurice Ravel Piano concerto in G major
Bryce Dessner Quilting (UK premier)
Leonard Bernstein West Side Story - Symphonic Dances
俺特なお得ラインナップ
ラヴェルのピアノコンツェルトGメジャーは去年のBBC Promsでも聴いたけれど、とにかく大好き!ジャズの節回しがそこかしこに見られるのもそうだけど、カラフルで動きがたくさんあって、楽器それぞれの響きのおもしろさを引き出してるように聴こえるところがエキサイティング。2楽章めの美しさと1楽章&3楽章めの快活っぷりが対照的なところもいい。
ブライス・デスナーはあのインディ・ロックバンドThe Nationalのギタリストで、ソロ活動としてオーケストラや映画の楽曲も手がけてるそうで。最近は坂本龍一と一緒に「レヴェナント」のサウンドトラック作ってました。そういう人他にもいたなあ、あ、Radioheadのジョニー・グリーンウッドだ、と思ったら案の定、そのふたりの名前で一緒にアルバム出してた。共作ではなくそれぞれの作品の寄せ集めだけど。
脱線しましたがそんな彼の作品はまさにいい意味で上等な映画音楽のようでした。静と動で展開がきれいに作られていて、動の部分での観客を引き込む力がすごい!同じフレーズが繰り返されつつ少しずついろんな楽器が重なっていく場面でアドレナリン大量に出た!ちなみに彼、近くに彼女と座ってました。悪口言ったりしてなくてよかった。
ウエストサイド・ストーリーのシンフォニック・ダンスは初めて生で聴きましたがほぼフルオーケストラでジャズドラムもあったりして音の迫力がすごい。出だしの指パッチン(弦楽器の人たちは左手でやってたけど結構難易度高いのでは?)とか、「マンボ!」の掛け声とか、普段見ないようなおもしろ要素も詰まっててとにかくワクワクしっぱなしだった。
とまあもうありがたいことに全部楽しませていただきました。最後3つのインパクトがすごくてクリストファー・ラウスのどんなだったか忘れちゃった。ラウスごめん。
「らしくなさ」があるほうが好き
クラシック、やっぱりバロックや古典よりもロマン派や比較的新しいもののほうが私には合ってるようで。ガーシュウィンみたいなジャズの影響を受けてるもの、ラフマニノフなどの近代ロシアのドラマチックなもの、あとはスティーヴ・ライヒみたいな完全なコンテンポラリーなものとか。キャラクターがあってとっつきやすさを感じるから。バッハやベートーヴェン、モーツァルトとかは完成されすぎててスノッブな感じがしてしまうというか。いや、好みの問題だけでなく、ただ私が無知なだけで、演奏者の立場になったりさらに詳しくなったりしたら、「何これ完璧じゃん!」ってアプリシエートせざるを得ないのかもしれないけど。
ちなみに今年のBBC Promsはガーシュウィンの日とチャイコ&ラフマ&プロコフィエフのロシアデーに行く予定です。あとチケットが取れたらライヒも。チャリで10分、普段の遊び場ペッカムにPromsが来るなんて誇らしいわ!